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経営者にとって、日々の資金管理は重要な課題です。いくら売上が好調でも、運転資金不足で倒産してしまうケースも珍しくありません。資金不足に陥る前に、運転資金の重要性について理解しておきましょう。
本記事では、運転資金の基礎知識から効率的な管理方法まで、経営者の方が知っておきたい資金管理について分かりやすく解説します。
運転資金とは、人件費や広告費など、事業を行っていく上で必要な資金のことを指します。いかに運転資金をうまく管理するかが、企業の存続を左右すると言っても過言ではありません。次の項目では運転資金についての説明、適切に管理するための方法を解説します。
毎月の給与支払い、仕入代金、光熱費など事業継続に必要な支出を賄う資金が、運転資金と呼ばれます。
売上が上り調子にある企業でも、運転資金が不足すれば事業継続が難しくなります。特に、成長段階の企業は売上増加に比例して、必要な運転資金も増えます。
黒字経営であっても、運転資金を含めた慎重な資金計画は不可欠です。
運転資金の1つである売掛債権は特に重要です。商品やサービスを提供したにもかかわらず、代金回収までにタイムラグが生じる場合、その期間の事業資金を確保しなければなりません。回収が遅くなれば、事業資金が不足するおそれがあります。
次に、棚卸資産も運転資金として企業を大きく左右します。必要以上の在庫を抱えると資金が固定化され、資金繰りを圧迫する原因です。
事業運営には一定の現金保有も欠かせません。突発的な支出や取引先からの早期支払要請に対応するため、月商の最低1~2か月分は運転資金として確保しておきましょう。
倒産を避けるためにも、運転資金の管理は徹底しなければいけません。
例えば、建設業界では工事代金の入金が遅れがちです。しかし、職人への給与支払いは毎月発生するため、資金繰りの綱渡りを強いられることも少なくありません。
さらに、資金不足は、ビジネスチャンスを失うきっかけにもなります。いい条件の仕入れ案件があっても、資金不足で対応できないケースや、新規取引の機会を逃してしまうことも考えられるため、運転資金は非常に重要な役割があります。
運転資金不足の原因は、在庫を持ちすぎてしまったり、売掛金の回収が遅れたりなどして起こります。製造業では、原材料の仕入れタイミングが重要で、必要以上に在庫を持つのは避けるべきです。
売掛金の回収遅延も深刻な運転資金不足を招きます。支払い遅れの影響で、給与を支払えなくなったり、仕入れ代金が払えなくなったりなどの連鎖が起きやすくなるのです。
運転資金は、日々の事業活動を支え、一時的に足りなくなった資金の代わりに使用する資金です。対して、設備資金は工場や機械など固定資産への投資に使用します。設備資金は、長期的な計画のために使用する資金です。運転資金と設備資金を理解し、適切な資金調達方法を選ぶことで、経営状況の悪化を避けることができるでしょう。
項目 | 運転資金 | 設備資金 |
---|---|---|
定義 | 日々の事業活動を円滑に行うために必要な資金 | 事業に必要な設備を導入するための資金 |
目的 | 商品の仕入、人件費の支払い、販売費・一般管理費の支払いなど | 機械設備の購入、工場や店舗の建設・増改築、ソフトウェアの導入など |
期間 | 短期 (1年以内) | 長期 (1年以上) |
返済 | 売上によって比較的短期的に回収される | 設備の耐用年数に応じて長期的に回収される |
調達方法 | 短期借入金、手形割引、ファクタリングなど | 長期借入金、リース、株式発行など |
例 | 材料費、人件費、光熱費、広告費、家賃 | 工場建設費、機械購入費、車両購入費、システム開発費 |
運転資金の必要性を正確に把握することは、経営の基本です。経営規模や業態に応じた適切な運転資金を把握して、計画的な資金調達を心がけましょう。
運転資金の基本的な算出方法として、流動資産から流動負債を差し引く方法があります。流動資産とは、現金預金、売掛金、棚卸資産などです。対して、流動負債には買掛金や短期借入金などを指します。
流動資産のうち、売掛金は確実な回収が見込める金額のみを計上しましょう。不良債権化している債権は、除外して計算しなければいけません。棚卸資産も、現状の評価額で計上することが重要です。
在高方式では、売掛債権と棚卸資産の合計から、買入債務を差し引いて運転資金を算出します。計算式は「運転資金=売掛債権+棚卸資産-買入債務」です。
回転期間方式は、平均月商を基準に各項目の回転期間を加味して計算します。計算式は「運転資金=平均月商×(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)」です。
業種によって必要な運転資金は大きく異なります。
例えば、製造業では原材料調達から製品販売までの期間が長く、より多くの運転資金が必要です。また、小売業は比較的回転が早いものの、季節商品を扱う場合は在庫確保のための資金が必要になります。
さらに、事業規模に応じた調整も重要です。売上規模が拡大すれば、必要経費などの増加により、必要な運転資金も増加します。また、過去の実績データや業界平均値などを分析し、将来的に必要になる資金を予測することも欠かせません。
運転資金の調達方法は複数存在します。状況に応じて、最適な方法を選択しましょう。
運転資金が不足した場合、銀行からの融資で資金を調達することを考える人が多いのではないでしょうか。運転資金の融資は、1年以内に返済する短期の借入として扱われます。審査では財務状況や事業計画の評価に加え、代表者の個人資産状況も対象です。
ビジネスローンは、審査の難易度が低く、早めに資金を調達したい人におすすめです。ただし、ビジネスローンは金利が高めに設定されています。早さなどのメリットと金利を含めたトータルコストを比較し、返済計画を慎重に検討しましょう。
ファクタリングは、売掛債権を売却することで資金を調達する方法です。審査は取引先の支払能力が重視され、自社の財務状況は基本的に問われません。
すぐに資金調達が可能で、銀行融資と比べて手続きが簡単という特徴があります。手数料は融資金利より高めですが、ファクタリングは融資ではないため、借入金のような返済義務が発生しないのがメリットです。
運転資金に困ったときは、国や地方自治体による助成金・補助金制度も活用できます。
設備投資や雇用創出に関連する補助金、新事業展開を支援する助成金など、目的に応じた制度が用意されています。各制度の要件を確認し、計画的な申請を心がけましょう。
運転資金を効率的に管理することは企業経営にとって大切です。売掛金の回収、買掛金の支払い、在庫管理など各要素を適切にコントロールすることが求められます。
請求書は取引完了後すぐに発行し、入金予定日を明確に記載しましょう。
入金予定日を過ぎたら速やかに催促を開始し、放置による回収長期化を防ぐ必要があります。回収まで期間がある場合、ファクタリングの活用も検討しましょう。運転資金が不足する前に、ファクタリング会社との取引関係を構築しておくことをおすすめします。
しかし、スムーズな回収が難しい場合は、法的な手段についても検討しましょう。
支払条件は、取引開始時に慎重に交渉すべきです。業界の慣習を踏まえ、自社の資金繰りを考慮した支払サイトの設定を行いましょう。
割引率と運転資金のコストを比較し、自社に有利な方法を選択してください。
在庫管理を適切にするためには、需要予測と調達リードタイムを考慮します。季節変動がある商品は、過去の販売実績を分析し、需要期に向けた計画的な在庫積み増しが必要です。
在庫の定期的な棚卸しと分析も欠かせません。滞留在庫は早期に処分し、資金の固定化を防ぎましょう。
運転資金管理は、企業経営の生命線です。日々の売上・仕入管理に加え、将来を見据えた資金計画が重要になります。売掛金の回収や在庫管理を徹底し、必要に応じてファクタリングなども活用しながら、安定した事業運営を心がけましょう。資金不足に陥る前の早めの対策が、事業継続の鍵を握っています。
ファクタリングの 達人編集部
自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。