無担保融資とは?特徴と注意点を解説

無担保融資とは?特徴と注意点を解説

資金繰りに悩む中小企業や個人事業主にとって、融資を受ける際に担保や保証人が必要ない選択肢は魅力的です。無担保融資は文字通り担保不要で融資を受けられる仕組みであり、近年利用者が増加傾向にあります。融資の仕組みと特徴を正しく把握し、事業資金の調達方法として検討する際の判断材料にしましょう。

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無担保融資とは?

無担保融資とは?

無担保融資は銀行や信用金庫、貸金業者などが提供する融資形態の一つで、不動産や有価証券などの担保設定や第三者の保証人を立てることなく資金を借り入れできる金融サービスです。申込手続きがシンプルで融資実行までのスピードが速いという点が大きな特徴となっています。

無担保融資の概要

無担保融資は担保や保証人を提供せずに資金を借入できる融資形態です。財産を担保にする必要がなく、借入の際に親族や知人に保証人になってもらう必要もありません。

事業資金の調達において、所有資産が少ない創業間もない企業や個人事業主でも審査を通過すれば利用できます。

担保設定にかかる手続きが不要なため、審査から融資実行までの期間が短いのが特徴です。不動産担保融資では不動産鑑定や登記手続きに時間がかかりますが、無担保融資ではそうした手間がかからず、最短即日で融資を受けられるケースもあります。

無担保融資を利用する際の注意点

担保付き融資に比べて金利が高めに設定され、返済総額が増えるかもしれません。担保がない分、貸し手のリスクが高くなるためです。一般的に有担保融資の金利が年1~3%程度なのに対し、無担保融資は3~15%程度と開きがあります。

審査では借り手の信用情報や返済能力が厳しく評価され、希望額を借りられないかもしれません。過去の返済履歴や現在の借入状況、年収や事業の安定性などが重視されます。金融機関によっては業種や業歴による制限が設けられている場合もありますので注意しましょう。

無担保融資と有担保融資の違い

有担保融資は不動産や有価証券などを担保に設定し、評価額に応じて融資額や金利が決まります。担保価値の50~80%程度が融資限度額の目安となり、担保物件の評価が高ければ大口の融資も可能です。リスクが低い分、金利も比較的安く設定されています。

無担保融資は担保不要の代わりに金利が高く、融資限度額も低めに設定されるケースが多いようです。審査は借り手の属性や信用情報に重点が置かれ、業歴や業績、代表者の個人信用情報なども判断材料になります。融資限度額は数十万円から数百万円程度が一般的です。

無担保融資のメリット・デメリット

無担保融資のメリット・デメリット

無担保融資を利用する際は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、自社の状況に合った借入方法を選択することが大切です。資金調達の選択肢として無担保融資を検討する際の判断材料として、主なメリット・デメリットを把握しておきましょう。

メリット

担保や保証人の用意が不要で、申し込みから借入までの手続きがシンプルです。不動産担保融資では物件調査や担保設定に時間と手間がかかりますが、無担保融資では煩雑な手続きが省略できます。申込から融資実行までのプロセスもシンプルで、必要書類も最小限に抑えられるでしょう。

WEB完結に対応する商品が多く、24時間いつでもスマートフォンから申し込み可能です。オンライン申込に対応している金融機関やノンバンクが増えており、来店不要で契約手続きが完了するサービスも珍しくありません。急な資金需要にも柔軟に対応できる点が魅力です。

デメリット

金融機関のリスクが高いため、担保付き融資よりも金利水準が高く設定されます。無担保融資では貸し倒れリスクをカバーするため、金利に上乗せされる部分が大きくなります。長期間の借入や大口の融資では、金利負担の差が大きく響くかもしれません。

また、融資限度額が比較的低く、希望額を借りられない場合があります。無担保融資では一般的に数十万円から数百万円程度が上限となるケースが多く、大規模な設備投資や不動産取得には適していません。事業規模が大きい場合、必要資金を満たせないこともあります。

注意点

契約内容(金利、返済方式、返済日など)を正確に把握し、返済シミュレーションを行うことが重要です。

金利タイプ(固定・変動)や返済方式(元利均等・元金均等)、返済期間によって総返済額は大きく変わります。契約前に複数のプランで試算し、最適な条件を選びましょう。

返済能力に見合わない借入額を避け、無理のない返済計画を立てることが必須です。月々の返済額は手元資金に余裕を持たせ、売上減少や予期せぬ出費があっても対応できる計画が望ましいでしょう。返済負担率(月返済額÷月収)は目安として30%以下に抑えるのが理想的です。

無担保融資を提供しているサービス

無担保融資を提供しているサービス

無担保融資は銀行やノンバンク、政府系金融機関などさまざまな業態で提供されています。それぞれ審査基準や融資条件が異なるため、複数の金融機関を比較検討し、自社に最適な融資先を見つけましょう。

三井住友銀行のカードローン

担保や保証人不要で、最短当日に審査回答が受けられます。Web申込なら24時間受付しており、審査結果も最短30分程度で通知されるため、急な資金需要にも迅速に対応できる融資サービスといえるでしょう。

普通預金口座不要でWEB完結による契約から借入まで対応しています。三井住友銀行の口座を持っていなくても申し込み可能で、インターネットバンキングを通じて借入・返済ができます。ペーパーレス契約にも対応し、手続きの手間を最小限に抑えられるため便利です。

りそな銀行のフリーローン

担保や保証人不要で、使途自由のローンを提供しています。事業資金はもちろん、生活資金や教育資金など幅広い用途に利用できるため便利です。審査は申込者の属性や信用情報をもとに行われ、安定した収入があれば比較的審査が通りやすいとされています。

WEB申し込みや郵送・店舗窓口に対応し、手続きの利便性が高いといえるでしょう。インターネットからの申込であれば24時間受付しており、必要書類のアップロードも可能です。申込方法を選べるため、自分の都合に合わせて手続きしましょう。

日本政策金融公庫の無担保創業融資

事業計画書を提出することで担保・保証人なしに融資を受けられます。創業前や創業後間もない事業者向けの特別な融資制度があり、実績がなくても事業計画の内容次第で審査に通るかもしれません。創業時の強い味方となる融資制度です。

中小企業や個人事業主の設備投資・運転資金に活用可能で、設備資金だけでなく、人件費や仕入れ資金など幅広い用途に対応しています。低金利で長期の返済期間を設定できるため、月々の返済負担を抑えられる点が大きなメリットといえるでしょう。

AGビジネスサポートの無担保融資

担保不要で迅速な資金調達を実現しています。ノンバンクならではの柔軟な審査基準を採用しており、銀行融資が難しい場合でも融資を受けられるかもしれません。審査から融資実行までのスピードも速く、最短で数日程度での資金調達が可能です。

審査では事業内容や返済計画を重視し、柔軟な融資条件を提示しています。業績不振や赤字決算であっても、事業の将来性や経営者の資質を評価し、融資する姿勢があります。リスケジュールにも対応可能で、一時的な資金繰りの悪化時も相談しやすいといえるでしょう。

JCBカードの無担保ローン

担保・保証人不要で申込者の属性情報と信用情報で審査しています。カード会社が提供するローンサービスで、カードの利用実績や返済履歴が良好であれば、審査通過率が高くなるようです。手続きも簡便で、既存カード会員なら追加審査のみで利用できることも魅力です。

金利は信用力や利用実績に応じて下限・上限が変動します。優良顧客には優遇金利が適用されるケースもあり、長期利用で金利が下がる仕組みを採用しているサービスもあります。一般的なカードローンと比べて、高い競争力を持つ金利設定の商品が多いといえるでしょう。

まとめ

無担保融資は担保や保証人を必要とせず、比較的スピーディーに資金調達ができる融資形態です。手続きの簡便さや迅速な審査対応がメリットである一方、金利が高めに設定される点や融資限度額が有担保融資より低く抑えられる点はデメリットといわざるをえません。

資金調達を検討する際は、自社の事業規模や資金使途、返済計画を踏まえ、無担保融資と有担保融資のどちらが適しているか慎重に判断することが重要です。将来の返済計画を立てた上で、無理のない範囲での借入を心がけましょう。

この記事を書いた人

ファクタリングの 達人編集部のアバター

ファクタリングの 達人編集部

自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。

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