赤字決算でもファクタリングを利用できる?!

中小企業や個人事業主が資金繰りに悩む場面は少なくありません。特に赤字決算となった場合、銀行融資の審査が厳しくなり、資金調達の選択肢が狭まることが一般的です。

そんな中、ファクタリングという資金調達方法で資金繰りを改善できる可能性があります。今回は、赤字決算企業でもファクタリングを利用できるのか、メリットやデメリット、注意点などを詳しく解説します。

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赤字決算とは?

赤字決算とは?

企業経営において赤字決算は避けたい状況ですが、経営環境の変化や予期せぬ出来事により発生することもあります。赤字決算の基本的な理解から始めていきましょう。

赤字決算の定義と発生要因

赤字決算とは、企業の収益が費用を下回り、最終的な利益がマイナスになる状態を指します。

企業活動で生じた売上から必要経費を差し引いた結果、残った利益がマイナスになる決算状況です。

主な発生要因として売上の減少が挙げられます。景気後退や競合の増加により売上が落ち込むと、固定費を賄えなくなり赤字に転落するケースが多いです。

経費の増加も赤字の原因となります。原材料費の高騰や人件費の上昇が利益を圧迫した結果、赤字決算となることがあります。

赤字決算が企業に与える影響

赤字決算は企業の信用力低下につながり、取引先や金融機関との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。特に銀行融資の審査では過去の決算書が重視され、赤字決算があると融資が受けにくくなる傾向が強いです。

継続的な赤字決算は、企業の存続を脅かす要因となり、最悪の場合は倒産リスクが高まります。資金繰りが悪化し、運転資金の確保が難しくなると、取引先への支払いが滞る恐れもあるでしょう。

一方で、赤字決算は税務上の繰越欠損金として扱われ、将来の黒字決算時に税負担を軽減する効果があります。最大10年間繰り越せるため、将来的な黒字化を見据えた経営判断の一環として捉えることもできるでしょう。

赤字決算からの脱却方法

コスト削減や業務効率化など、内部改革による収益構造の改善が重要です。経費の見直しや業務プロセスの効率化により、同じ売上でも利益率を向上させることが可能になります。

新規事業展開や既存事業の見直しなど、収益源の多様化を図ることも効果的な手段となります。市場環境の変化に対応し、需要のある分野へのシフトや、高付加価値サービスの開発が求められます。

場合によっては、M&Aや事業再生支援の活用も赤字脱却の選択肢となります。自社だけでの改善が困難な場合、外部の力を借りて事業再構築を図ることも検討してみましょう。

赤字決算でもファクタリングを利用できるか?

赤字決算でもファクタリングを利用できるか?

赤字決算の状況下で銀行融資が難しくなった場合、ファクタリングという選択肢が考えられます。赤字企業でもファクタリングを利用できるのか、詳しく見ていきましょう。

赤字決算企業のファクタリング利用可能性

赤字決算企業でもファクタリングの利用は可能ですが、審査基準が厳しくなる傾向があります。ファクタリングは売掛金を売却して資金調達する方法であり、企業の決算状況だけでなく売掛金の質も重要な判断材料になります。

ファクタリング会社は企業の財務状況だけでなく、売掛金の質や取引先の信用度も重視します。赤字決算であっても、優良企業との取引による売掛金であれば、ファクタリングの審査に通る可能性は十分にあります。

赤字決算企業向けのファクタリング商品

一部のファクタリング会社では、赤字決算企業向けの特別プランを用意しています。通常の審査基準では対応できない企業向けに、条件を調整したサービスを提供している会社もあるのです。

特別プランでは、通常より高めの手数料設定や、担保設定などの条件が付く場合があります。リスクに見合った形で条件が設定されてしまうことから、健全な財務状況の企業と比べると費用負担は大きくなる点に留意が必要です。

赤字決算企業がファクタリングを利用する際の審査ポイント

過去の業績推移や今後の事業計画など、企業の将来性を重視した審査が行われます。単に現在の赤字状況だけでなく、赤字の原因や今後の改善見通しが重要な判断材料となります。

売掛金の回収可能性や、取引先の支払い能力も重要な審査項目となります。ファクタリングは最終的に取引先からの入金が前提となるため、取引先の信用力が高いほど審査通過の可能性が高まるでしょう。

赤字決算でファクタリングを利用するメリット、デメリット

赤字決算でファクタリングを利用するメリット、デメリット

赤字決算企業がファクタリングを利用する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

赤字決算企業がファクタリングを利用するメリット

即時の資金調達が可能となり、運転資金の確保や資金繰りの改善につながります。売掛金が入金される前に資金化できるため、支払いに充てたり事業拡大の資金として活用したりすることが可能です。

銀行融資と異なり、財務諸表の改善を待たずに資金調達ができます。赤字決算で銀行融資が難しい状況でも、売掛金があれば資金調達の道が開けるため、資金繰り改善の有力な手段となるでしょう。

赤字決算企業がファクタリングを利用するデメリット

通常より高い手数料や金利が設定される可能性があり、資金調達コストが増加します。健全な財務状況の企業と比べてリスクが高いと判断され、その分コストも高くなる傾向が見られます。

利用可能額が制限されるため、大口の資金需要に対応できない場合があります。特に取引実績がない初回利用時は、利用限度額が低く設定されることが多いため、資金需要を全て満たせないケースもあるでしょう。

ファクタリングは一時的な資金繰り改善策であり、根本的な経営改善は別途必要です。赤字体質の根本原因に対処せずにファクタリングだけに頼ると、問題の先送りになるリスクがあるでしょう。

利用前に複数のファクタリング会社を比較し、最適な条件を選択することが重要です。

特に赤字決算企業の場合は会社によって審査基準や条件設定が大きく異なるため、慎重な比較検討が必要になります。

赤字決算の際にファクタリングを利用する場合の注意点

赤字決算の際にファクタリングを利用する場合の注意点

ファクタリングは一時的な資金繰り改善策であり、根本的な経営改善は別途必要です。赤字体質の根本原因に対処せずにファクタリングだけに頼ると、問題の先送りになるリスクがあるでしょう。

このように、赤字決算企業がファクタリングを利用する際には、いくつかの注意点があります。契約内容の確認から業者選びまで、重要なポイントを押さえましょう。

契約内容の精査と理解

契約書の細部まで確認し、手数料や金利、返済条件などを十分に理解する必要があります。特に赤字決算企業向けのプランでは通常と異なる条件が設定されている場合が多く、細かな確認が重要です。

特に、遅延損害金や期限の利益喪失条項などの不利な条件に注意が必要です。取引先からの入金遅延があった場合のペナルティや、契約違反時の措置について、事前に理解しておくことが重要でしょう。

悪質なファクタリング業者の見分け方

過度に有利な条件を提示する業者や、強引な勧誘を行う業者には注意が必要です。特に赤字決算企業は資金繰りに困っているケースが多く、悪質業者のターゲットになりやすい点に留意するべきでしょう。

他社の利用実績や口コミ情報などを参考にし、信頼性の高い業者を選択することが大切です。実際に利用した企業の評価を確認することで業者の実態を把握しやすくなるでしょう。

ファクタリング利用後の経営改善策

ファクタリングで得た資金を有効活用し、収益改善につながる施策を実行することが重要です。単なる資金繰り対策だけでなく売上増加やコスト削減など、黒字化に向けた投資を行うべきでしょう。

定期的に財務状況を見直し、ファクタリング依存度を下げていく計画を立てることが望ましいです。ファクタリングはあくまで一時的な資金調達手段であり、長期的に見れば自社の収益力向上による資金確保が理想的です。

まとめ

赤字決算企業であってもファクタリングの利用は可能です。銀行融資と違い、売掛金の質や取引先の信用度が重視されるため、財務状況だけで判断されません。

ただし、審査基準が厳しくなる傾向があり、手数料も高めに設定される点は考慮が必要です。ファクタリングを利用する際は、複数の業者を比較検討し、契約内容を十分に理解した上で利用することが重要です。最終的には赤字体質からの脱却が不可欠であり、ファクタリングはあくまで一時的な資金繰り改善策と位置づけるべきでしょう。

この記事を書いた人

ファクタリングの 達人編集部のアバター

ファクタリングの 達人編集部

自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。

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